こんにちは。
「りっすん」さんの座談会に
呼んでいただいたときにも話したのですが。
私は社内のワーキングマザー第一号です。
今は子どもがいる女性は何人もいます。
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学生時代にバイトをしていた会社に
新卒で入社し、勤続20年。
今時一度も転職経験がないのは
珍しいと思います。
20年前、ワーキングマザーは決して
当たり前の存在ではありませんでした。
女性の多い業界ではありますが、
40歳以上で働いている女性はほとんどが独身、
あるいは結婚していても子どもがいない。
子どもを産む人は会社をやめ、
子どもがある程度大きくなってから
フリーのライターや編集者になる、という
コースが一般的でした。
もちろん、社内にもワーママは皆無。
子どもを産み、育てながら働くイメージが
まったくつかない…
結婚が24歳と早かったのですが、
何のキャリアもないうちに子どもを産むなんて、
とてもじゃないけど勇気が湧かない。
キャリアを積んで、会社に確固たる
居場所ができてからでないと、
産んでも戻ってこられない…
そう思い、20代はとにかく仕事、仕事でした。
ようやく「そろそろいいかな」と思えたのは、
30歳になった頃。
しかし、人生はそう上手くいかないもの。
ほしいと思ったときにはなかなかできず、
不妊治療でようやく授かるのですが、
その話はまたいつか…
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妊娠時、それなりの立場になっていたのですが、
やっぱり不安が大きかった。
産んで戻ってこられるのか、居場所があるのだろうかと…
だから、出産後も数ヶ月して、
育休をとりながら仕事を再開しました。
在宅で子どもが寝ている間の数時間程度でしたが、
仕事から離れてしまうのがこわかった。
何より、会社から「もうおまえは必要ない」と
言われるのがこわかったのです、今思えば。
二人目の育休中も、やはり数ヶ月で仕事再開。
娘に授乳しながらPCを叩いていたことを
思い出します。
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職場に復帰してからも、
時短勤務で思うように時間がとれない中、
なんとか結果を出そうと奮闘していました。
時間不足を朝時間や休日に補って。
公園で子どもが遊ぶのを見守りながら、
ベンチでゲラ(校正原稿のこと)を読んだり…
…我ながら、モーレツ社員ですね^^;
なぜあんなにがんばっていたのか。。
今、当時の自分の心の中を探ると、
とにかく認められたい。
ワーキングマザーだからって、
評価を下げられたくない。
自分はこの状況でも成果を出せると
知らしめたい。
……そんな気持ちだったように思います。
「認められる」という意味では、
すでに管理職になっていたし、
移動が多い業界で、ほとんど唯一の新卒組、
社内的な居場所は確保されていました。
それでもそういう気持ちが強かったのは、
ワーキングマザーであること、時短勤務であることが
どこかで負い目だったのでしょう。
「会社にとって、一人前の社員ではない」と…
だから、みなに迷惑をかけないよう、
それどころか
「あの人、子どもがいるのにすごいね」
「時短なのにすごいね」
と言われるよう、人一倍がんばらねば…
そう思ってモーレツ社員をやっていました。
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ところが1年前、私の根底を揺るがすような
ことがあって。
詳細を書くと各方面にまずいので^^;
省かせてもらいますが、
要は「夢から覚めた」のです。
ワーママだけど、時短だけど成果を出してる。
時間がないけど、最大限有効に時間を使って
会社に貢献している。
会社も認めてくれている…と信じ込んでいたのですが、
そうではなかった。
…本当に、涙が出るほどショックでした。
今思えば、私もおめでたかったなと思います^^;
何を信じていたのだろうかと。。
会社に裏切られたと思いました。
(なんだかリストラされてショックを受けてる
おじさまみたいですが、私もほとんど
オッサン同様の社畜だった…)
こんなにがんばってきたのに。
育児や家事との両立で、死ぬ思いをしながら
時間をひねり出してきたのに…
今まで信じていた世界が、がらがらと音を立てて
崩れ落ちた瞬間でした。
……けれども、それは筋違い。
会社ってそんなもの、誰も悪くないのです。
ただ私が世間知らずで未熟だっただけ。
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散々悩み、一時は身の振り方も真剣に考えました。
20年目にして初めてのこと。
どれだけ箱入り娘なんだという^^;
夫には「ミッドライフ・クライシスだな!」
と言われました。
40代、たしかにそうだ…
それでも最終的に、会社に居続けることを
選びました。
年齢のこともあるし、結局どこに行っても
ワーキングマザーであることは
どうしてもハンデになるから。
長年勤めている今の会社は、はるかに理解があり、
融通を利かせてくれているとわかったから。
それがわかっただけでも、悩んだ甲斐は
あったかと思います。
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それ以来、見える景色が変わりました。
私はずっと「会社のため」と思ってがんばってきた。
でもそれは、「認められたい」気持ちの裏返し…
誰もそんなことは求めていないし、
独りよがりにすぎない。
もっと真剣に、何が自分自身のためになるのか、
頭を使って考えいかないといけない…
そう思い、新しい生き方、働き方を模索し始めました。
そのひとつの試みが、このブログを始めたことであり、
在宅勤務などの「ひとり働き方改革」でもあります。
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今思うと、私も会社に甘えていたのでしょうね。
会社への妙な忠誠心がなくなり、
肩の力が抜けて、
逆に風通し良く働けるようになったと思います。
誰のためでもなく、自分のため!
それを基準に生きていくのは、
結局周りにとってもためになることかも、
と近頃感じています。