この週末は、軽井沢に家族で1泊してきました。
冬はあえて寒い場所に行くようにしています。
東京では見られない、雪や氷の景色を見る
絶好のチャンス。
昨年は日光に行き、
中禅寺湖の冬景色を堪能してきました。
冬の日光はたびたび訪れているので、
今年は軽井沢にしてみようと。
軽井沢は夏や秋によく行きますが、
冬は初めて。
軽井沢の冬はかなり雪深くなると聞いていたので、
楽しみにしていたのだが…
今年は暖冬。
軽井沢駅近辺に着いてみると、
なんと全く雪がありませんでした^^;
あったのは、プリンスホテルスキー場の
人工雪くらい…
とはいえ、もうひとつの楽しみだった、
星空観察。
星を見るのが好きで、
旅の大きな目的でもある。
日中は曇っていたものの、
夜には雲がなくなり、美しい星空に。
満天の星…とはいきませんでしたが、
この時期、西の空に落ちかけたオリオン座が
驚くほどくっきり見え、
子どもたちと感動。
東京でもオリオン座は見えますが、
その輝き度合いが全然違うんですよね。
星のサイズが違うというか、目に飛び込んでくる。
北斗七星も、星が7つはっきりと見えました。
・・・・
翌日。この日も晴れ。
しかし、浅間山を見ると、山頂の方には
雲がかかっている。
でもまあ、こんなに良い天気なんだから、
大丈夫だろう…とたかをくくったのが運の尽き。
子どもたちが見たことがないということで、
やってきた白糸の滝。
ここは軽井沢の駅から、かなり標高が
高くなっています。
なにやら雪とも氷ともつかない粒が、
ポツポツと降ってきて。
とはいえ、日差しはあるし、
たいした量ではないだろうと、
鬼押出し園をめざし、さらに北に車を進めると…
猛烈に吹雪いてきた(*_*)
雲の中に突入してしまったのか。
以前、冬山で急な雪におそわれ、
死ぬ思いをしたことがあります。
山って空気が冷えているので、
雪が降ったら全く消えることなく、
降った分だけ積もるのですよね。
東京だと、雪が振り始めても
積もるまでに数時間かかりますが、
山だと15分もすればかなり積もっている。
このままだと、鬼押出しに着く前に
吹雪で立ち往生するはめになる…と、
すぐに取って返すことになりました。
あの積雪スピードと、吹雪による視界不良、
かなりの恐怖です…
冬山をなめてはいけませんね(*_*)
・・・・
そのまま山を下り、
さて東京に帰るにはまだ時間がある。
どこに観光に行こうか…
山の上の方はあんな調子だし、
軽井沢内で観光するのは厳しそう。
そこでふと思いついたのが、
群馬県富岡市の富岡製糸場。
軽井沢は長野県の中でも東側で、
群馬県がすぐそばです。
東京から軽井沢に高速道路で行くときも、
群馬県を通ります。
富岡も通り道、帰りがてら寄るのにちょうど良い。
2014年に世界遺産に登録され、
一度は行ってみなくちゃと思っていました。
富岡製糸場の入り口。
有名なレンガ造りの建物が正面に見える。
ここは「東置繭所」と言うそうです。
入場料は大人1000円、小中学生は150円。
すごい価格差^^;
子供たちにはしっかり歴史を学習してほしい、
ということでしょうか。
富岡製糸場、どういう場所なのか、
世界遺産に登録された理由も、
恥ずかしながらよくわかっていませんでした。
ひと言でいえば、
明治時代にできた、生糸を作る工場なのですが。
群馬県はもともと養蚕が盛んな土地。
そこに官営の製糸工場をつくることで、
当時輸出の要だった生糸を大量生産し、
産業勃興を図ろうということだったらしい。
フランス人を招いての技術導入、
日本独自の自動繰糸機の実用化、
女工哀史の時代に工女の教育に力を入れるなど、
製糸工場の模範として、革新的な取り組みを
様々行っていたとのこと。
結果として、日本の製糸業の近代化が進み、
世界一の生糸輸出国に。
かつては高価だった絹製品が
広く一般の人たちも身につけられるようになった。
世界の服飾文化に大きな影響を与えたということで、
世界遺産として認められたそうです。
・・・・
場内の案内図。
正面写真にあったレンガ造りの東置繭所は、
1階を作業場などに使い、
2階に乾燥させた繭を貯蔵していたらしい。
1階に、富岡製糸場の成り立ちや
養蚕から製糸の流れ、
当時の時代背景などがパネルで
解説されていました。
この東置繭所と、裏手にある
同様の建物の西置繭所は国宝だそうです。
繰糸所(そうしじょ)。
こちらも国宝。
繭から生糸をとる作業が行われた場所です。
機械が保存されています。
繭から生糸をとるのは、
手のかかる作業だったようですね。
かつては工女が手作業でやっていました。
実演が見学できました。
繭から出た糸を1本ずつひっかけ、
つむいでいきます。
その手作業を機械化することで、
大量生産が可能になっていったのですね。
・・・・
切なかったのは、蚕の生涯。
繭は蚕蛾の幼虫が、蛹になるときに
身を守るために糸を吐き出し、
つくる殻なわけですが。
蛹が羽化したら、繭に穴をあけて
外に出てくる。
そうすると、糸が切れてしまうので、
出てくる前に繭ごと高温乾燥し、
蛹を殺しておくのです。
「お蚕様」と大切に育てられても、
結局は殺されてしまう運命なのだなあ…と、
少々感傷的な気分になりました。
「蚕の一生」のパネル。
蚕蛾って、白くてとても美しいんですね。
蛾は苦手なのだが、この蚕蛾なら飼ってみたい!
(しかし、完全に家畜化された昆虫で、
自力で生きる力がなく、
交尾したらすぐ死んでしまうそうですね。
人間のためだけに生まれる生き物…悲しい)
残念だったのは、西置繭所をはじめ、
他の建物のほとんどが老朽化で
修繕工事中のため、内部を見られなかったこと。
奥の建物は工女の寄宿舎。
だいぶ荒れている感じだった^^;
世界遺産登録から間がなく、
追いついていない感じ。
しっかり観光できるように整うのは
これからでしょうか。
とはいえ、展示がよくできており、
なかなか見ごたえがありました。
車なら東京から意外と近いので、
まだの方はぜひ一度足を伸ばしてみてください。