なかまぁるの最新記事が掲載されました。
介護職員初任者研修の話、今回で最後です。
よろしければご一読くださいませ。
記事も10回目となりました。以降は事業所探し、初めての現場…と時系列に進んでいきます。
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ヘルパーの副業を始めて3年が経ちました。
「本業以外に仕事を持つ」ということは、想像以上に自分の視野を広げてくれたと思っています。デスクワーク中心の会社員と、肉体労働(+感情労働)の介護職、全く異なる世界なのです。
どっぷり浸かっていた会社員の世界を、外側から客観的に眺めるようになった。
本業はお金儲けが目的の営利企業で、ヘルパーはそれと対極にある福祉の世界。
ヘルパーの視点で本業を見たとき、「こういうのが良くないとこだな」と思う反面、「こういうのが良いとこだな」と新たな発見をすることも。
どちらの仕事も、それぞれに魅力があり、楽しさがある。もはやヘルパー業は「副」でもない。差はなくどちらも本業、という感覚です。
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40代半ばで畑違いの業界に飛び込み、まったくの「新人」になったのも、良い経験でした。
この年になると、社内でもそれなりの「えらい立場」になってしまうわけですね。上の世代がどんどん引退し、気づいたら周囲は後輩だらけ。
そうなると、「頭が高く」なってしまうのが人間というもの。新人の頃はあんなに腰が低かったのに…。まあ、誰しも自分がいばっていられる環境が心地よいもんなんです。
けれども、それに無自覚であり続けると、いつの間にか下の世代から、ガンと思われる存在に…。
そんななか、別業界で働くのは、また一番下になること。これがなかなか新鮮で。
ヘルパーの事業所では、私の上司は20代の若い男性です。本業なら、後輩か部下になる年齢の人。しかし、そんなのは関係ない。
たしかに編集職ではキャリア25年だが、ヘルパー職では全くの新人。
色々指示を出されたりするけれど、本業ではいつも指示を出す立場だから、指示を出してもらえるのがやけに嬉しい。
わからないことだらけで、あれこれ聞いたり相談したりするのだけれど、これも嬉しい。いつもは相談される立場だから、「上に頼れる」ことが妙にしみる。
他のヘルパーさんはみんな大先輩なので、教えてもらうことばかり。こんなふうに、「無力な自分」を自覚すると、自然と頭が下がってくる。謙虚になれる。そんな自分が、けっこう好きです。
会社でそこそこの立場になった中年こそ、副業がおすすめだなと思います。慣れきった仕事、慣れきった日常に活を入れる、という意味でも。