「びじゅチューン!」ってご存知ですか。
Eテレの番組なのですが。
https://www.nhk.jp/p/bijutune/ts/MPPMVRL98N/
アーティストの井上涼氏が、世界の美術を歌とアニメで紹介するもの。
といっても、真面目な内容ではなく、著名な芸術作品を“いじって”歌にしています。井上氏独特の目線による再解釈、というか。
たとえば、「その天女、柄マニアにつき」という歌は、薬師寺吉祥天女像を紹介しているのですが。この絵では、たしかに天女の衣が、縞だったり花だったり柄がたくさん^^;
歌の中では、この天女は大の柄物好きで、薬師寺を柄で埋め尽くそうとしている。他のメンバー(天界の人?)が会議を開き、この天女の暴走をどう止めるか相談…という設定。
お遊びなんだけど、井上氏はいたって真面目に歌う。しかし、その歌声とアニメーションがなんともゆるく、笑わずにはいられない。
この番組、絵の好きな小5の息子が昔からよく見ていて。最近はYou Tubeで見ています。
ロダンの「地獄の門」を紹介した回を見て、上野の西洋美術館に実物を見に行ったことも。
敷居の高かった芸術作品が身近に感じられる。アートに興味をもつ、とても良いきっかけになる番組だと思います。井上涼さんのセンス、大好きです^^
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先日は、「太陽の塔」を紹介した回を見て、岡本太郎美術館に行きたい!ということで、行ってきました。
神奈川県川崎市の生田緑地内にあります。最寄り駅は小田急線向ヶ丘遊園。新宿から急行で20分ほど。
駅から生田緑地の入り口までバスで約5分、そこから15分ほど緑地内を歩きます。
生田緑地、初めて来ましたが、とても良いところですね。
炎天下の中、歩くのはきつそうだな~と怖れていたのだけれど。木陰がとても涼しい。木の香りが爽やかで、思いがけず森林浴ができてしまいました。
都心近くに、こんなに自然豊かな場所があるなんて。
森林散歩を楽しんでいると、秘密めいた入り口が。
目的の岡本太郎美術館。
入館料は大人900円、中学生以下は無料。
話はそれますが、たいていの美術館の常設展は中学生以下は無料なので、子どものうちに大いに通っておくといいなと思います。
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さて。館内は撮影OKだったので、息子が私のスマホで写真を撮りまくりました。
考えてみると岡本太郎の作品は、旧こどもの城や箱根彫刻の森美術館くらいでしか、実物をあまり見たことがない。太陽の塔も画像で知っているだけだし。
「芸術は爆発だ!」と叫んでいるご本人の印象の方が強い^^;
こうして作品が一堂に会したのを眺めてみて…うん、本当に「爆発」していますなあ。
陳腐ですが、個性的。独創的。
なんというか、うまいとか下手とか、そういう評価をいっさい受け付けない強烈な岡本ワールド。
その作品群に囲まれ、毒気にあてられた感じ^^;いやそれこそが、岡本太郎の狙いかも?数日ちょっとぐったりしました…
私が気に入ったのは、いろいろな形の椅子。
手の形の椅子、意外に座り心地良かったです。
壁に貼られた写真。
何歳になっても子供のような、魅力的な御仁だったようですね。昭和史に残る稀代の芸術家だったのだと、納得させられる展示でした。
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ところで、広大な生田緑地には、岡本太郎美術館の他にも「日本民家園」なるものがあって。
日本中の古民家25件を移築し、集めた野外博物館。
宿場の馬宿だったり、農家だったり、網元の家だったり、富山の合掌造りだったり、主に江戸時代に建てられた民家を、当時の状態で再現しています。
私、古民家見学が昔から大好きでしてね。小学生のとき、家族旅行で合掌造りの里(白川郷だったのか…記憶は定かでない)に行き、中に入って感動したのが最初。
人の暮らしが、家と道具とともにそこに残っている。どんなふうに日々寝起きし、どんなふうに仕事をしていたのか…。当時に思いを馳せ、想像にふけるのが楽しい。
この日本民家園、大好きな古民家が見放題。少々マニアックだからか、人もおらず細部まで見学できる。
宿屋の内部。
ちょっとした村っぽく配置されていて、時代劇の撮影所みたい?
立派な合掌造り。
イワシの地引網漁で栄えた、千葉県九十九里町の網元の家。
漁に使う道具が多く残っており、山間部の民家とはまた違う雰囲気。
見応えがありすぎ、閉園時間が迫って税分を回りきれませんでした。今度はもっと時間のあるときに行って、隅々までじっくり見学したい。
…しかし、日本家屋って、中が暗いのです^^;ライトも最小限にしてあり、他の見学者もほとんどいなかったので、なかなかこわかった。奥の暗い隅に甲冑とかあるし^^;古民家独特のにおい(カビ臭?)に包まれて。夜入ったら死んじゃうな…