昨日は仕事を休んで実家に行ってきました。
母の要介護認定区分を変更してもらうため、認定調査の立ち会いで。
7月に実家に行ったときは、母も小康状態で、父もストレスなく介護をこなしていたのですが…
高齢者の容態は急変する。
母がトイレ以外の場所でおむつを脱ぎ、そこで用を足してしまうことが起きて…
昼間寝ている父が起きると、リビングの床やソファの上が濡れていたり、といったことが数日に1回ペースで起きているらしい。
8月は暑かったから、つい履いているものを脱いでしまっていたのかなあ…
ただでさえ、日頃から母の粗相が多く、おむつを替えたり床を拭いたり洗濯をしたり、その後始末に追われている父。そこにさらなる粗相が加わり、さすがの父も参ってしまった模様。
加えて、コロナ下での売上激減(父は個人タクシーの運転手です)。趣味の社交ダンスの集まりも中止。外出の予定がなくなり、家で認知症の母とずっと一緒に過ごしている。出戻りの姉はずっと部屋に引きこもっているし…
加えて、この夏の猛暑。体力的にも消耗し、すっかり鬱々としてしまった。私に電話をかけてきて、「もうさすがに限界」と、ついに弱音を吐いたのでした…
・・・・
母の介護は、介護者の父にすべてがかかっています。父がもうだめだとなったら、そのときは老人ホームに入れるしかないと、あらかじめ話し合っています。
…しかし、コロナによって状況が一変した。特養に入れるならまだしも、民間のホームの場合、月に15万円は下らない。
収入が減った現在、先々を考えると、ぎりぎりまで在宅介護で踏ん張りたいというのが父の希望。
ともかく、現在要介護1なので、再度認定調査を受けよう。おそらく要介護度は上がるから、そうすれば介護サービスの限度額も上がる。そこからどういうサービスを受けるか考えよう。
…そう父に話し、昨日に至ったのでした。
母が要介護1だったのは、1年半ほど前のまだ状態が良かったとき。現在はほぼ1日中介助と見守りが必要なので、要介護3くらいまでには上がるんじゃないか…
要介護度とは、「どれだけ介護が必要か」ではかられるものです。認定調査のときには、大げさすぎるくらい介護の大変さを訴えることが重要。
父だときっと見栄をはって^^;「それほど大変じゃないです」とか言ってしまいそうなので、私が同席して援護射撃をすることにしました。
(最初の母の要介護認定は、脳出血でリハビリ病院に入院中のときでしたが、このときも私が家族代表として立ち会い、大いに窮状を訴え、要介護度5を獲得?しました)
調査員さんに、今母がどんな状態で、父にどんな介護の負担が発生しているか、事細かに伝えました。
さすがの父も、今回は見栄をはらず(苦笑)、介護の大変さを切々と訴えていました。
・・・・
親身になって聞いてくれた調査員さん。
調査が終わり、「ところで」という感じで言われたのが、
「これから要介護度が上がるかどうかはさておき、現在の要介護度1の限度額まで、全然使ってらっしゃらないですよね」
とのこと。
今利用している介護サービスとしては、介護ベッドのレンタルと、週1回の訪問看護、おむつの購入くらい。
「要介護度1でしたら、デイサービスに毎日通っていただけますよ。数日間ショートステイを利用するという方法もあります。ずっと張り付いた状態ではご家族も参ってしまいますから、みなさん上手に利用して息抜きされていますよ」
そのとき、父がハッとした顔をしました。
「私、全部自分でやりきろうと思ってしまっていたんですよね…」
「男性にはそういう方が多いですよね。責任感が強いんでしょうね。私達女性は、すぐに人に助けて~と言ってしまうんですが」
と笑う、50代くらいの調査員さん。
・・・・
そうなんですよね…父は「0か100か」で「全部自分が介護する。それが無理なら施設に入れる」という思考なんですよね。
訪問サービスも、もっとうまく利用すればいいのに、「他人を家に入れるのがストレス」という理由で、入浴介助だけをしてもらっていた。
それすらも、「もうやめようかな」と言い出していたから…
母が今より元気だった頃、リハビリ病院から退院した直後は、母も毎日デイサービスに通っていました。しかし、母が朝、いつ迎えのバスが来るか、寝ている父をしょっちゅう起こすので、それがきつくなり、デイサービスをやめさせてしまった経緯があります。
このときも、「朝、ヘルパーさんにきてもらって、お母さんの身支度をお願いする手もあるよ」と言ったのだけど、やっぱり「他人に出入りされるのはストレスになる」という理由で採用しようとしなかった。
デイサービスは、母自身もイマイチはまれず、ストレスをためていたようですが…
毎日はやめて1日おきにするとか、午前中だけにするとか、ゆるゆるとでも続ける方法はあったと思うんですよね。
いや、現に私もそう言ったのだが…人の意見に聞く耳をもたない父^^;
「おれが全部面倒をみる」と、その意気込みは立派だけれど…結局は自分の首を締め、破綻が訪れるものです。
…まあ言葉は悪いけれど、私も父が弱音をはく日を待っていたとも言える。
母のためにも、デイサービスなどでプロの介護者に関わってもらった方がいいと、ずっと思っていた。母の状態がどんどん悪くなっていったのも、家にとじこもりきりのせいが絶対大きいので…
・・・・
調査員さんが帰り、
「よし、わかった。デイサービスをお願いしよう。朝の支度もヘルパーさんを頼もう」
と父。
「でも、お母さんがまた行きたがらなかったらどうしよう」
と言う。
…うん、お父さん、それもさかんに言うよね。「お母さんがかわいそう」「お母さんがしたいようにさせてあげたい」って。
その心持ちは素晴らしいけれど、それで自分が限界に達したらどうしようもないんじゃない?
「前はお母さんも意識がしっかりしていたから、行くのを嫌がったけど、今のほとんど意思のない状態なら大丈夫だと思うよ。今こそデイサービスを利用するべきときかも」
「ヘルパーさんはプロだから、上手にお母さんを動かしてくれるよ」
「たとえお母さんが嫌がっても、『もうおれも大変だから、デイサービスに行ってほしい』と、お母さんに率直に言えばいいじゃない。事実そうなんだから」
「申し訳なさを感じる必要はない。デイサービスに行っているほうが、家でじっとしているよりお母さんにとってもずっと良い」
…私からはそう言いました。
これらのこと、前からずーっと言い続けるんですけどね^^;ようやく父の心に浸透した模様。
近日中にケアマネさんをまじえて、ケアプランの立て直しをしようということになりました。
「抱え込まなくてもいいんだ」
と思ったら、父も肩の荷が降りた様子。
…本当は、私が頻繁に足を運べればベストなんですけどね。いかんせん家が遠いし、こちらも仕事と家庭があるので、月1~2回通うのがせいぜい。
そこはもう、それこそ割り切って、地域の福祉のお世話になろうと思います。
・・・・
それにしても、憔悴した父を見て、
「あ、いよいよこの人も年をとってきたな」
と実感。
健康だし、仕事もフルに続けて頭もしっかりしている。家のこと、母の介護も一人で切り盛りし、「父はまだまだ元気だ」と思っていたけれど。
父ももう78歳。ばりばりの後期高齢者です。最近は耳が遠くなり、病院から補聴器を借りて装着している。
ストレスのせいか、寝起きの血圧が高いらしく、すぐに起き上がらないよう気をつけているらしい。
会話の反応速度も、年々少しずつ遅くなっている。
母ばかり見ていたので、父の老いに目を向けていなかった。しかし、そろそろ父のこともケアしていかないといけない。
電話やメールの回数をもっと増やそう。そんなことを思いつつ実家をあとにしました。