働く母。両立メモ

40代書籍編集者・ワーママ歴14年。子供は中3男子・小6女子。両立生活や仕事、学校、ママ友関係、親の介護など、日々の気づきを綴ります。FP2級、家計管理の工夫についても。


応援していただけると嬉しいです★
にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ
にほんブログ村

【ワーママ・ひとり働き方改革】副業の次はリカレント(学び直し)。専門学校の通信で「精神保健福祉士」資格の勉強スタート

ひとり、粛々と進める働き方改革。その流れの中で始めた副業の、訪問介護ヘルパー。

事業所に登録して、2年が経ちました。
今では週1回・1時間の超々短時間勤務となりましたが、細々ながら続けています。

当初より、金曜日の午前中だけをあてると決めて始めたヘルパーの仕事。もう1コマ、2時間枠で通っているお宅があったのだけれど、施設に入所されてしまい、1軒だけになりました。

そちらに通って2年近く。90歳のおばあさま。週1回しかお目にかかれませんが、すっかり仲良くなりました。
「来てくれたのね」と言っていただけるのは、とても嬉しいこと。

事業所には申し訳ないくらい、少ししか働けていないけれど。それでも良いと言ってもらえているし、このペースでゆるゆると続けていきたいなと思っています。続けることが一番の目標。いつか余裕ができたときにはシフトを増やそうと。


・・・・
さて、働き方改革はまだまだ終わりません。

次なるステップは、リカレント。いわゆる「学び直し」です。

この4月より、専門学校の通信教育で「精神保健福祉士」の勉強を始めました。

精神保健福祉士、あまり知られていないかもしれません。
社会福祉士という資格があります。高齢者や障害者など福祉の対象となる方のサポートをする専門職。いわゆるソーシャルワーカーです。
精神保健福祉士も同様のソーシャルワーカーなのですが、鬱病や統合失調症、依存症など精神疾患を抱える方に特化して支援する資格です。
文字通り、社会福祉士の「精神保健」バージョンといったところ。

なので、社会福祉士と精神保健福祉士の資格はかぶります。社会福祉士資格をもっていると、精神保健福祉士の資格試験で多くの科目が免除されます。

なぜ福祉系の資格をとるのか…。それは、介護ヘルパーとして福祉に関わり、福祉への興味が年々深まっているということもありますが。

なぜ、あえて精神保健福祉士なのか。社会福祉士の方が支援対象が広く、求人も働ける職場も多い。まずは社会福祉士をとり、その後精神保健福祉士という人が多いのに…

それは、実際に精神保健福祉士さんと身近に接し、その仕事ぶりを垣間見たから。


・・・・
以前にも書きましたが、今実家に姉が戻ってきています。

姉が来てから、もうすぐ4年。
20代の前半に実家を出て、二度の結婚・離婚をした姉。その間、ずっと精神不安定でした。手首を切り、親とともに私も夜、駆けつけたことがある。

傷つけるのは自分自身だけでなく、人に対しても激しく攻撃的だった。二度目の旦那さんからは、「包丁を持って追いかけ回された」という話を聞きました。

完璧主義の潔癖症。頭の回転は速いが、そのぶん人をバカにして責め立てる。そのくせ、傷つきやすく繊細。勤めに出ても、人間関係につまずいて続かない…。
その調子で、二度の結婚生活を自ら破綻させました。

私との関係も、とうの昔に破綻し、20年会っていなかった(なにせ私の結婚式に出なかったほどで…)。

二度目の離婚をした直後、実の母が亡くなり、まとまった額の遺産が入ってきた。そうして姉は5年ほど、働くこともなく、ひとりでアパート住まいをしていたのでした。

そして5年たち、姉のアパートの管理会社から父に電話がかかってきた。
契約更新月なのだが、姉とまったく連絡がとれない。部屋にいることはわかっているのだが、電話をしてもインターホンを押しても応答しない、と。

さらに、おかしな行動が見られると、同じアパートの人や隣に住む大家さんから話が来ている。
警察立会いのもと、突入するので、お父さんも来てください…とのことでした。

高齢の父がひとりで太刀打ちできる問題ではなく、もちろん私が同行しました。
最終的に、警察の説得に応じて姉はドアを開けましたが、まあその様子は…。完全に精神に異常を来しているなあ、という感じでした。

すぐにでも病院に連れていきたかったけれど、夜のため受け入れてくれる病院もありそうにない。
どうしたらいいか…と管理会社の人に相談しているうちに、父が「うちに来るか?」と言い出してしまった…

そして、姉はそのまま父の車で実家に迎え入れられ、今に至る…というわけです。


・・・・
もちろん、この4年の間、無為無策だったわけじゃない。いやそれどころか、できることは最大限やってきました。

姉が来てからすぐ、実家の近くの保健所に行き、事情を話して助けを求めました。
保健師さん、そしてまさに精神保健福祉士さんが実家を訪問してくれましたが、姉はいっさい会おうとしなかった。

保健所を通して、精神科病院にもつながり、院長先生とも家族面談を重ねたけれども、「無理に本人を連れてくることはできない」と、結局受診に至れなかった。

実家に来てから、びっくりするようなおかしな行動はずっと続いている。
ぶつぶつひとり言、ひとり笑い。排泄をトイレではなくお風呂場でする。食事を箸ではなくティッシュで挟んで食べる…
完全な引きこもりで、外出もしない。昼間から雨戸を閉め、一日中自室から出てこないことも。

…こうやってあらためて文字にしてみると、誰が見たって病気確定の案件なのだけど(*_*)
いかんせん医者にかかれておらず、どうすることもできない。


・・・・
このような姉の状態に対して私は…
ただ、イライラするばかりでした。

しっかりと対応しない父に対してももちろんだが、我が家をずっとかきまわしてきた姉に対して、「とうとうここまでになって、また私に迷惑をかけている」「厄介事でしかない」という思いでした。

たしかに、かわいそうな生い立ちの姉だけれど。それにしたって、大人になってからのことは自己責任だろう。いろんな人を傷つけまくって、迷惑をかけて、最後はこれか…

「とにかく迷惑」「排除したい」という気持ちしかなかったのです。

その気持ちが変わったのは、新たに我が家担当になった、保健所の精神保健福祉士Tさんの存在でした。

私は、私の目線からしか、この姉の問題をとらえていなかった。
─これからずっと、実家に住むわけ。お父さんも年をとるのに、どうすんのよ。
─お父さんが死んだら、私がお姉ちゃんの面倒をみるの。冗談じゃない。
─こんなふうになって、はっきり言って自業自得じゃん。私は真面目に人生生きてきたよ。

けれどもTさんは、姉自身に焦点をあて、寄り添おうとした。
なぜこうなってしまったのか、姉の立場から理解し、共感を示した。一番つらい思い、困難を抱えているのは姉なのだ、と。

それに、すごく目を開かされたのです。
ああ、私はひとつも姉自身のことを慮っていなかったなあ、と。

その視点を与えられたとき、「自業自得だ」とはまったく思えなくなってしまったのです。

姉妹として同じ家に育ち、姉は実母に捨てられた子で、私はそうではない。でもそれは、本当に紙一重。私が姉の立場になっても全然おかしくない。

いや、現実にはそんなわけはない、紙一重などではないけれど、そう思わずにはいられない。他人事にはまったくできないのです。

姉をちゃんと理解したい─。献身的なTさんの姿勢により、徐々にそういう気持ちにさせられた。

そうして一時期、実家に毎週のように通い、姉に関わっていました。殻に閉じこもっていた姉も、だんだん心を開いてくれたけれど、少し私が踏み込んだら、ぴしゃんとシャッターをおろされてしまった。

それから約1年、また姉とは没交渉です。
姉は再び殻に閉じこもり、誰の支援も必要としなくなった。
いや、本当は必要としているはずなのだけど、かたくなすぎて、あるいは聞こえてくる何者かの声に従って、自分の世界の奥深いところに行ってしまった。


・・・・
私の関わり方がまずかったな、と思います。もっと時間をかけ、信頼関係を築くべきだったのに、先を急ぎすぎた。

やっぱりイチから勉強して、心の病のある人とどう接するか、アプローチしていくか、理論を身につけたい…

そこで、精神保健福祉士なのです。
Tさんと関わるなかで、この資格に関心をもったということもあります。

保健所の保健師さんたちが何人か訪問しても会おうとしなかった姉が、Tさんの声かけにだけは応じ、会話をしているのです(残念ながら、数度会って後はまた会おうとしなくなりましたが)。
また、姉が部屋から出てこなくても、Tさんは根気よくドアの前に座り、ドア越しに話しかけていました(返事はないが…)。

その献身的な姿勢はお人柄ということもあるけれど、やはりTさんは「訓練を積んでいる」な、と思いました。きちんと理論を学び、それを前提にした接し方だな、と。

保健所の前は精神障害者の就労支援事業所に勤めていたというTさん。現場経験が豊富だからこそのスキルだと思いますが。
精神保健福祉士の資格取得にあたって、理論をしっかり勉強したことが土台にはなっているのだろうと。


・・・・
精神保健福祉士の資格は、試験を受けて取得するわけですが、「試験を受けるための資格」が必要でして。
私のような、福祉系の学校を卒業していない、福祉施設での相談業務に従事したことのない人は、「養成施設」というところで1年以上勉強してからでなければ、受験ができません。

「養成施設」といっても、福祉系大学や専門学校がほとんど。私のように働きながら取得をめざす人も多く、通信制もあります。

実は、資格取得そのもの以上に、この養成施設が目的でして。
というのも、カリキュラムに実習が組み込まれており、精神科病院で実際に相談業務にあたるのです。しかも2~3週間の長期にわたり。

つまり、実地で経験を積めるわけで、姉との関わり方をリアルに学ぶ大チャンス。
こんな機会は実際に就職しない限り、ありえないこと。

もちろん、資格取得の暁には、ヘルパー職と同様に、副業として精神障害の方の支援の仕事をしてみたいと思っていますが。週1、しかも数時間しか働けないでは、病院はまず無理。

精神科病院での実習は、非常に大きな経験になるだろうと思い、資格取得をめざすことを決めました。

この養成施設は、とてもお金がかかるのです。50万円以上かかります。
かつ、2年という長丁場、覚悟がいります。さんざん考えて1ヵ月、でもチャレンジしようと気持ちを固め、願書を提出しました。


・・・・
実習があるのは今年の秋。長期間休むことになるので、会社にはすでに伝え、了解を得ています。働き方改革を進めておいたおかげで、理解のある会社に♪

今のところテキストを読み、レポートを作成する自主学習なのですが、なかなか楽しい。

姉のことがあり、ここ数年、精神障害や福祉に関する本はたくさん読んできました。なので、下地はけっこうある。
興味のある分野だから、専門的な内容もおもしろく読める。

実は、精神保健福祉士資格のあとは、大学院で福祉の勉強をする、という構想も抱いていて。まさしくのリカレント。
福祉の中でも社会保障制度に、とくに興味があります。

大学院となると、さすがに通信は難しく、それなりの日数の通学が必要になりそうだけど。
順当にいけば、精神保健福祉士の資格取得は2年後。そのときには気持ちが変わっているかもしれませんが、さらにひとり働き方改革を進めて実現させているかも??楽しみです。


応援していただけると嬉しいです★
にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ
にほんブログ村